歯を削らないブリッジ治療 ウェルデンツは、ブリッジのよさを兼ね備えた部分入れ歯の一種です。
弾力性と強度のあるポリプロピレンという成分でできているため、一般的な入れ歯にある、金属のバネや人工の歯茎がありません。
削らないブリッジ治療 ウェルデンツは、弾力性と強度のあるポリプロピレンという成分が使われた材料が歯ぐきの部分とバネの部分を構成します。
ポリプロピレンは白い、ゴムのような素材なので、上部の人口歯と一体化しています。金属は全く使いません。
バネがなく、見た目はブリッジ。さらに使い心地もブリッジと同じでよく噛めるということなのです。
唯一の難点は取り外しが必要、ということ。
ただし、取り外しができるということは、衛生的だということでもあります。
ウェルデンツは取り外しが簡単です。
また、歯みがきのときに取り外して、一緒にブラッシングをするだけでお手入れは完了です。
ウェルデンツを外して、その下の歯の清掃もできるので、健康な歯がむし歯などになりにくくなります。
ウェルデンツの治療手順は、非常にシンプルです。
① まず、歯ぐきの部分と人口歯を作るために型を取ります。
従来のブリッジはこのとき、両サイドの歯を大きく削りますが、ウェルデンツでは歯を削りません(ただし、噛みあわせのすき間を作るために0・5~1ミリ程度、削ることはあります)。初回の処置はこれだけで終了です。
また、通常の入れ歯は、バネによる歯との密着度が弱いため、噛んだ時の安定感を補う目的で人工の歯茎を付けていました。
しかしウェルデンツは、バネによる歯との密着度が高いので、歯茎を付けなくても噛んだ時に安定させることが可能であり、歯ぐきは作りません。
② 次の来院でできあがったウェルデンツを合わせます。
人口歯の部分の噛み合わせなどを調整し、終了です。
歯を削らないブリッジ治療 ウェルデンツには下記のような優れた特徴があります。
入れ歯で起こりがちなさまざまな問題がウェルデンツで解消できる大きな理由は、その材質にあります。
従来の入れ歯では、歯ぐきの代わりになる部分にプラスチックのレジンを使います。このレジンは決して悪いものではありませんが、硬く、弾力性がほとんどありません。
このため、かんだときに違和感を感じやすいのです。また、歯ぐきが痛む、などと言う患者さんも出てきます。
ウェルデンツの主成分のポリプロピレンは、プラスチックに比べて数倍の弾力性があるため、噛んだ時に適度にたわみ、また歯茎へのあたりもやわらかいため、歯に近い感覚を得ることができるのです。
ちなみに、ウェルデンツは近年開発された新しい歯科材料です。
また、通常の入れ歯の材料は、硬いのですが曲げる力や衝撃には弱く、長く使うと経年変化や噛み合わせの力で入れ歯が割れることが多々ありました。しかしウェルデンツは、ポリプロピレンが強い噛み合わせの力や衝撃にも耐える曲げ強さがあるため、割れることが入れ歯よりも格段に少なくなりました。
また、ウェルデンツは、通常の入れ歯に使われているプラスチック(レジン)に比べて、数倍の弾力性と強度があり、しかも水に浮くほど軽量です。
水分を吸収することがほとんどないため、変色や変形にも強く、臭いも付きません。
ウェルデンツは歯を削らないため、とにかく、治療時間が短くすむのが特徴です。
一般的な従来のブリッジは、順調に治療が進んでも、一回あたり1時間の通院を3回~4回、場合もよっては、もっと必要な場合が少なくありません。
これは治療で支えとなる歯を、大きく削る必要があるためで、初回は2時間程度かかる事もあります。
これに比べてウェルデンツは、1回10分から30分の通院が2回で済みますので、何回も通院する必要がありません。
また、インプラントは、ブリッジよりも時間がかかり、一般的な治療の場合、術前の準備から始まり、治療と治療の間をあけなければならないことも多いので、通院期間も長くなります。
入れ歯は特に、見た目の問題はもちろん、かんだときの違和感、硬いものが食べられない事の不自由さなどから、大きなストレスを感じる人も少なくありません。
ある50代の女性は抜けた前歯を3本のブリッジで支えていましたが、やがて、支えていた歯が歯周病でダメになり、すべて入れ歯にしました。
しかし、歯のバネの締め付けられる感覚や、入れ歯に付いている人工の歯茎(レジン)による違和感で、夕方になると入れていることにがまんができず、毎日不快な思いをしていました。
また、入れ歯は4本の金属のバネで固定していましたが、これがなかなか安定せず、食べ物を食べると入れ歯が動き、前歯では全く物が食べられない状態でした。
そこで、ウェルデンツに変えたところ、バネは両脇の2本のみになり、人工の歯茎もなくなったことでバネによる締め付けや歯茎の違和感もなくなりました。そして1日中入れていても気にならなくなりました。
また、物を噛んでも動かないため、前歯でなんでも食べられるようになり、とても喜んでいただけました。