歯を削らないホワイトスポット治療

歯を削らないホワイトスポット治療について

歯を削らないホワイトスポット治療

ホワイトスポットは、歯にできる白濁ですが、従来までは、歯を削ってプラスチックを詰めたり、セラミックベニアと呼ばれるセラミックの板を張り付ける治療しかありませんでした。

しかし、近年、歯を削らないでホワイトスポットを治す技術が、いくつか開発され、効果が出ています。

ホワイトスポットはホワイトニングでは治らない

歯の表面にできた白いシミのような白濁は、通称、ホワイトスポットと呼ばれるものですが、ホワイトスポットの原因は、 初期むし歯によるもの、エナメル質形成不全によるものがあります。

ホワイトスポットをなくそうと、ホワイトニングをする方がいますが、実はホワイトスポットに対して、ホワイトニングはほとんど効果が得られません。

 ホワイトニングは歯に薬剤を反応させて、化学的に漂白する方法です。

このホワイトニングが有効なのはコーヒーや赤ワイン、カレー、飲食物の色素などによる着色です。

そしてホワイトニングは健康なエナメル質に作用するので、ホワイトスポットのある歯に行なうと健康な部分が漂白されて白くなってしまうのです。

このため、ホワイトニングをすると、ホワイトスポットがかえって目立ってしまうことも多いのです。

ホワイトスポットの種類と従来の治療法

ホワイトスポットには、その原因によって、初期虫歯のホワイトスポットと、エナメル質形成不全のホワイトスポットホワイトスポットの2つの種類が存在します。

むし歯は糖をエサにしたむし歯菌が出す分泌物により、歯が溶ける脱灰という現象から始まります。

歯にはカルシウムをはじめとしたさまざまなミネラルが含まれています。脱灰により歯の表面からミネラル分が溶け出すと、歯のエナメル質は光沢を失い、白く濁り始めるのです。これが初期虫歯によるホワイトスポットです。

一方、エナメル質形成不全は、乳歯から永久歯に生え変わる前に、なんらかの原因により、エナメル質が完全にできず、そのまま永久歯が生え変わってしまったためにできる白濁です。

原因としては乳歯のむし歯やけが(むし歯がけがで折れるなど)、病気や栄養障害などさまざまなものが考えられます。 

 

従来の治療では、こうしたホワイトスポットに対して、白い部分を削り、歯の白濁した部分を削ってプラスチックで詰めるか、カルシウムを補う歯磨き粉を使用して、再石灰化をうながし、時間をかけて自然治癒を待つなどの方法しかありませんでした。

歯を削らないホワイトスポット治療の種類と手順

歯を削らないホワイトスポット治療は、原因により、2種類の治療法があります。

初期虫歯に対する歯を削らないホワイトスポット治療

初期むし歯によるホワイトスポットに対しては、従来は経過観察となるケースが多く、初期のむし歯はみがけば治るといわれるところから、フッ素入りの歯みがき粉などで再石灰化を促し、自然治癒を待つという方法でした。

しかし、「すぐに治したい」という患者さんに対しては、白濁した部分を削り、プラスチックをつめる方法も行われていました。 

それに対して、初期虫歯のホワイトスポットを歯を削らないで治す方法は、「アイコン」という薬剤を使う方法です。 

アイコン(Icon)はドイツで開発された安全性の高い充填材です。

アイコンをホワイトスポットの部分にぬると、希塩酸という成分の働きで、傷んだエナメル質が溶けて、なくなります(つまり、むし歯の部分が取り除かれます)。 

同時に液状の特殊な樹脂がエナメル質に浸透します。

これがホワイトスポットの周りになじむと、周辺のエナメル質との境目が目立たなくなり、ホワイトスポットがなくなるのです。 

 

この治療のもう一つのメリットは、エナメル質に樹脂が入り込むことで歯が強化されます。これにより、むし歯になりにくい歯になるのです。

歯を削らないホワイトスポット治療 アイコンの実際

アイコンの治療は次のように行なわれます。

    エナメル質の表面全体を酸で2分間、前処置をし、その後30秒水洗いして乾燥させます。 これにより、ホワイトスポットにアイコンが浸透しやすくなります。

    白くなっているホワイトスポット部分に前処理用の薬を塗り、30秒置いてから、再び乾燥させます。

    アイコンをホワイトスポット部分に塗り、3分間置いてエナメル質にアイコンを浸透させます。

    樹脂を固める働きのある特殊なライトを40秒当てて、アイコンを固めます。

もう一度アイコンをホワイトスポット部分に塗り、1分間置いた後にライトを当てて、アイコンを固めます。

エナメル質形成不全に対する歯を削らないホワイトスポット治療

エナメル質形成不全によって起こるホワイトスポットはエナメル質の表面ではなく、内部で起こっている場合が多く、初期むし歯によるホワイトスポットに比べると、白い部分がさらに目立ちます。

このため、「ホワイトスポットが気になって笑えない」「就職活動までにホワイトスポットを消したい」と受診する患者さんは少なくありません。

このタイプのホワイトスポットにはアイコンでは十分な効果が得られません(アイコンが働くのは主にエナメル質の外側で、内側までは浸透しません)。 

このため、エナメル質の内部に働く、オーラループという薬剤を使います。そして、エナメル質の再石灰化を促すことでホワイトスポットを治療していきます。 

 オーラループは、人間の体の中にもともと存在する「三リン酸5Na(ポリリン酸、以下)」という成分が中心の薬剤で、透明なジェル状になっています(薬事法上、歯みがき剤に分類されています)。 

ポリリン酸は食品添加物などにも含まれており、適量を口に入れる分には安全です。

また、ポリリン酸には着色を取り除く作用や着色の防止作用、コラーゲンの増殖効果、抗菌作用などさまざまな効果があることが研究により、明らかになっています。こうした効果をねらって、ポリリン酸入りの歯周病対策や口臭対策のためのオーラルケア商品が販売されているのです。

さらにポリリン酸は他の配合成分と結合して、再石灰化を促進させたり、歯を白くする効果や歯の歯質を強化する働きをすることが明らかになってきました。

歯を削らないホワイトスポット治療 オーラループの実際

この治療では、プラズマレーザーを併用するのがポイントです。

プラズマレーザーにはさまざまな作用がありますが、このうちの歯質強化作用を利用したものです。

プラズマレーザーを歯にあてると、歯の組織から水分が抜けます。むし歯や歯周病の菌は主にこの水分から侵入するので、プラズマレーザーをあてることでこうした菌の感染、繁殖が起こりにくくなり、歯質が強化されます。

この状態では、同時に薬剤が浸透しやすくなっています。これをねらって、オーラループを浸透させるというわけです。

プラズマレーザーによる処置を行った歯は、通常の歯の約6倍、薬がエナメル質内部に浸透するようになります。

なお、オーラループはより浸透性を高めるためにイオン導入といって、微弱電流を流してイオン化し、浸透させていきます。 

治療後は家で、ホームケアをしてもらうことで効果が上がります。

具体的にはマウスピースにオーラループを入れて歯に塗布し、これで就寝します。

 

患者さんの状態や、どこまでの色に戻したいかによって治療期間は違ってきますが、おおむね、3週間くらい治療を繰り返すとホワイトスポットはかなり目立たなくなります。

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